宇宙の話をしよう

 

科学の偉大な学者は孤独か。本書に出てきた多くの学者は幼少期孤独であったらしい。そこまで孤独ではなくても、科学が好きすぎて、小さい頃に友人と話が合わない人もいたのではないだろうか。それでも、好きなものがあることは素晴らしい。好きなものを曲げて周りに合わせても、結局幸せになれないのかもしれない。好きなものは好きでいい。そう思わせてくれる一冊。

 

宇宙開発は、お金がかかる。純粋に宇宙に行きたい気持ちだけでは難しすぎるだろう。だからこそ、宇宙と政治・戦争は関係してしまう。

 

初めて宇宙空間に行ったロケットは、ソ連スプートニク1号とされている。しかし、初めて宇宙空間に出たロケットは、ドイツのV2ロケットのようだ。スプートニクが初めてと言われているのは、V2がサブオービタブル飛行、すなわち、地球の周りを回り続ける軌道飛行ではないから、要は打ち上げて宇宙空間に出て、すぐに落ちたからだと。でも、本当は?ナチスがV2を開発したことが原因ではないかと。

 

ドイツのフォンブラウンは、ロケット開発したさにナチスに協力した。フォンブラウンは、最終的にはアメリカに亡命し、アメリカでもロケット開発に協力した。フォンブラウンは、陸軍に所属していたが、ロケット開発では、海軍と対立し、海軍が開発した純アメリカが開発したロケットの方が優先させられたらしい。いかに政治に左右されているかがわかる。

当時の宇宙開発は、今と違って民間機関を頼ることができず、資金があるのは軍ぐらいであろう。では、それでも研究開発はすべきだったのか?政治利用、戦争に利用されることをわかっていながら。しかし、現在の立場から単純に断罪しても良いのだろうか。

 

アメリカのロケットの父、ゴダートは、「何かを不可能と決めつけるのは無知のせいにすぎないと、化学は教えてくれた。・・・科学は繰り返し証明してきたのだ。昨日の夢は今日の希望となり、明日の現実となることを。」

 

宇宙開発を夢見る、というか、科学者を夢見る少年少女に読んでもらいたい1冊。