法務教官の話を聞いて
法務教官として働く「武藤杜夫」さんの話を聞いていきました。
メモ的に。
①少年院に入院している少年一人当たりの費用は年間いくらか。
答え、1000万円。
そこらの私立大学よりも高い。逆に言えば、ここまでくるとこれだけ費用を負担しないと改善できない、少年の問題性の高さがうかがえます。
②少年院の教官ってどんな人がいいですか?
これってけっこう大きなテーマだと思うんです。
例えば教師。教師にはどんな人になってほしいですか。
私がずっと思っていたのは、世界を広げてくれる人。小学校、中学校、高校って、世界が狭いんですよね。友人関係、家族関係の中にしか世界がない。だから、世界は広いんだよって教えてくれる人がいたから救われた人はいるだろうし、世界がどれだけ広いか、つまり、私たちの将来の仕事や生き方はどんなものがあるか分かれば夢も広がって頑張れる、だから私は世界を広げてくれる人が好きでした。それはすなわち、いろんな経験を知って、いろんなことを知っている人でした。例えば、他に仕事をしたことがある人とか。
話が外れましたが、人それぞれあると思います。ただ、法務教官については、非行少年のことを分かる人がいいというのは疑いの余地がない。では、元非行少年がいいのだろうか。賛成の立場の人には、同じ境遇であればこそ理解できるものもあるでしょう。それは、理解できる。そのほうがいいとまでは思わなくても、一つの強みにはなると思います。ただ、元非行少年で非行少年の力になりたい人は、自分の過去をきちんと消化できているのでしょうか。自分の過去を仕事にするとき、せっかくだから過去を強みにできる仕事を選ぶ人もいれば、その仕事につくことでしか生きていけない人もいるのかもしれない。消化しきれないと、少年に自分の過去を反映させてしまう。だからこそ、昇華していてほしい。
一方で、元非行少年じゃないほうがいいという人もいます。普通の価値観を持つ人と接することに意味があると。まぁ、否定はしませんけど、普通って何なんでしょうね。
いずれにせよ、月並みだけど、人間を教育する仕事につく人には、自分が他人に影響力を持つことに、覚悟と責任をもつくことが求められるのだと思います。持ってないことは、容易にばれる。そして、意味のないかかわりになる。
とりあえず今日はここまで。